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チームラッキークラフト・スキートリースが2009年度
バスマスタークラシック優勝の快挙!





レッドリバーで悲願を達成したスキートリース

Pl.
Name
1
Skeet Reese
10
Kelly Jordon
13
Casey Ashley
   
ルイジアナ州ボージャー市(2009年2月24日)-2009年2月24日、スキートリースはルイジアナ州ボージャー市で、2009年バスマスタークラシックという夢の祭典で戦っていた。
“勝った・・俺は勝った・・・クラシックで俺は勝ったんだ・・・”スキートは半ば夢見心地のまま取材班の待つプレスルームでトロフィーを抱えながらその言葉を何度も呟いていた。
アメリカは西海岸のカリフォルニアで生まれ育ち、ラッキークラフトと1999年に契約してから約10年の月日が経った。このバスマスタークラシック優勝という快挙は、その10年目の出来事である。
 
 
スキートリース, 優勝
 
 
   

西海岸で育った人間としてこの南部のど真ん中で優勝する事はとても大きな意味があった。今回の優勝は誰も予想していなく、スキートはこう繰り返した“誰も俺がレッドリバーで勝つと思っていなかった。俺はリストの一番最後にいたんだ。最高だ。最高だよ。”今回の優勝はスキートの昔からの夢であっただけでなく、メディアの誰もがスキートの優勝を予想していなかった事が、このトロフィー獲得を更に格別なものにしてくれたように見えた。近くにいるからこそ分かる話ではあるが、スキートはこの優勝に向けて、またバスプロとしての誇りに対して誰よりもストイックに向き合ってきた。裸一貫からバスプロとしてのキャリアをスタートさせた事は今では有名な話ではあるが、そんな美談はもうAOYを獲得した時点で卒業してしまっている。そしてスキートは更なる高みを目指して邁進していた。試合では誰よりも真剣にプラクティスを行い、集中力を散漫にさせるアルコールも炭酸飲料も試合中の夕食では一切口にしなかった。極度のプレッシャーと緊張感からか、毎日3時間くらいしか眠れない日々が続いた。また西海岸からの飛行機移動なども含む長距離移動は更にその疲労度を高めた。そんな休めない身体は、いつの間にか過度の蓄積疲労で苦しんでいた。

 
 
   
 

スキートは今年のクラッシックに対しては今までと違うアプローチをしていた。意図的に爆発的に釣れる時期の感覚を手に残さないよう秋には全く釣りをせず、また余計な判断材料が増えてしまわないようプラでは誰の助けも借りずにほんの数時間しかボートに乗らなかった。スキート曰く、“基本的に地図を見ただけで大体予想がついた。この川にはあまりキーポイントがなくて、勝てる要素は2箇所しかないと。この2箇所でどんな釣りをすれば良いのかが分かれば、入念にエリアなどを探す必要もないと判断したんだ。ただそこに行ってキッチリ自分の仕事をするだけだと思ったんだ。”スキートは早い時点で5番プールに的を絞り、他のエリアへギャンブルをしに行くのではなく、そこで時間を掛けようと決めていた。スキートリースが使用した主なルアーは2つ。ブラックアンドゴールドのソフトプラスチックベイトと、スキート自身がプロデュースしたラッキークラフトのスピナーベイト、リデンプションだ。

“朝のマッディーウォーターではいつもシャッドパターンで3/8オンスのリデンプション(スピナーベイト)を使った。レッドリバー用にニッケルブレードの2連結を試してみた。リミットメイクを助ける為には、朝のシャッドパターンでこれしかないと決めていたんだ。これに50ポンドのスパイダーワイヤにエキストラファーストのロッドを使った。俺のように多くのカバーを釣る為には、モノフィラメントでは絡まってダメなんだ。スパイダーワイヤはその点使いやすかった。1日目15ポンド8オンス、2日目のウェイインには22ポンド9オンスを持ち込み、賞金50万ドルとクラシックのタイトルをつかむチャンスが来た。彼はこの時が来る事は分かっていたし、そのまま計画通りに進めて行くだけだった。

 
 
Redemption Spinner Bait Color Chart
  052 AURORA BLACK

089 CLEAR LAKE HITCH

170 GHOST CHARTREUSE SHAD

238 GHOST MINNOW

261 TABLE ROCK SHAD

262 LASER CLEAR GHOST

270 MS AMERICAN SHAD

 

3日目午後1時頃、ユリのカバーとスタンプがあるエリアを釣っている時、最後のバスが掛かった。“300ヤード程試して1つの大きなスタンプにたどり着いた。このスタンプでいきなりデカイのが来たよ。ここはビックフィッシュが釣れると思ったんだ。ソフトプラスチックベイトをスタンプと溝に通したら、やっぱり来た。”スキートはこの一匹をつかんだ瞬間喜びを表せない程に身体が膠着した。

 

 

この一匹で18ポンドは下らないだけでなく、タイトル獲得の可能性が見えたからだ。しかし優勝を確実にする為にはもう一匹のビッグバイトが必要だった。スキートはそのチャンスにかけてキャストし続けた。しかしそんな彼の気持ちとは裏腹に、バイトは途絶え、納得できないままにマリーナに戻ることになった。

 

“俺はもうどうしようも無かったよ。”スキートは認めた。“ステージではよく堪えられたと思う。勝つだけのウェイトはあると自信はあったが、それは100%じゃなかった。本当に気掛かりでしょうがなかった。”しかしそんな中でスキートは最後の力を振り絞ってステージで胸を張った。そして最後の瞬間が訪れた。“本当に凄く不安だった・・・。だけど最後16ポンド12オンスの表示をみた瞬間、これでゲームオーバーだと思った。俺は勝ったと確信したんだ。”この日マイクアイコネリーより11オンス差、3日間トータルウェイト54ポンドの13オンスで2009年度バスマスタークラシックの優勝トロフィーはスキートリースに捧げられた。

 

 

今回のスキートの悲願達成は、彼の人生全ての苦労を癒す万感の思いであった事は言うまでも無い事だろう。そして優勝ルアーが彼のプロデュースしたリデンプション ルアー(リデンプション=復讐)であった事は、イタズラ好きの彼ならではのネーミングルアーではあるが、その言葉の意味を超えて大きな人生の意味を持つものだとスキートは繰り返し僕達に語ってくれた。世界の頂点に立つ人間の孤独さと過酷さを彼の人生から凄く学ぶ事がある。世界で勝負する人間とは、良くも悪くも、人生で起こる全ての出来事をプラスにし、苦しい逆境をも大きなパワーに変えて乗り越えられる人間の事を言うのだと正直教えられた気持ちでいっぱいだ。

 
 
 

そしてまだクラシックで優勝した事を信じられないような表情のままスキートはこう付加えた。“これは俺にとって凄く凄く価値があるんだ。正直、俺のゴールであるクラシックを獲得できるとは思わなかった。全ての釣り人の夢であるクラシック優勝、しかしその夢が叶うかどうかはまた違う話しだ。一度こういう達成感を味わうとクセになる。だからこのタイトルをとった今、間違いなく俺は2度目を目指すね。”そして最後にやっと我に返ったのか、誇らしくもまた自分に言い聞かせようにこうも語った。

 

“自分のやっていることにとても情熱を持っている。そして俺は決めたんだ、「ベストになる」ってことを。ベストになる為にはベストを追い越さなければならない。俺は2番になる為にここに来たんじゃない。ベストに、ベストになる為にこれからも情熱を持ってやっていくんだ。”

 

 

 

 

 
         
 
 
ケリー・ジョーダン, 10位
 
 
 

10位でフィニッシュしたのはケリー・ジョーダンだ。素晴らしい試合を終え、ジョーダンは自分の成績を嬉しく思っており、チームメイトのことは更に嬉しく思っている。

「スキートが優勝したのは素晴らしいと思う。彼が優勝すると思ったんだ。ステージ上でスキート優勝に1ドル賭けたんだから、サイン入りで1ドル回収しないと。」

ジョーダンは2009年バスマスタークラッシックは、すごくいい試合だったと思っている。初日15ポンド10オンスをウェイインしたジョーダンは、2日目20ポンド5オンスとウェイトを伸ばし、トップ25入りして最終日に釣ることが出来た。

 
 
 

「ずっとソフトジャークベイトで釣っていた。昨日は暖かくなったから、ぽつんとあるダックポンドを釣ったんだ。2日目はレイク・フォーク・タックルのクリーチャーベイトのフリッピングでも何匹か釣れたな。」

 

最終日の前夜、寒冷前線が入ってきた。ジョーダンはそれまで釣っていたのと同じ場所に入り、12ポンド13オンスをウェイインすることができた。トータルウェイト48ポンド12オンスを釣り、ジョーダンはこれで今シーズンのジャンプスタートを切ることが出来たと思っている。

 

「この試合はかなり上手くいった。今日(最終日)は何回かラインブレイクがあったけれど、とてもいい釣りをしたよ。

 
     
 
 
 
ケーシー・アシュリー, 13位
 
 
   

ケーシー・アシュリーは初日に躓いてしまい、9ポンド13オンスと40位い近くからのスタートとなった。

「初日は間違った選択をしてしまって、他にボートがたくさんいるエリアで釣ったんだ。前にいる人が30秒前に投げたスタンプに次は僕が投げるという、メリーゴーランドみたいな感じだった。そういう釣りはしない方がいいのに、そこに拘り過ぎた。それで他の釣りをする時間が無くなってしまったんだ。」

2日目は全く違う日となった。プラクティスでよく釣れるエリアを見つけていた彼は、2日目の朝、その1つを試してみることにした。そこでは10~12ポンドしか釣れないかもしれないが、リミットメイクしたら移動しようと彼は思った。午前9時半までには、嬉しい驚きがあった。

 
 
 
 
   
 
   
 

「そこはパッドの茎が入っている、ただの古いダックポンドなんだ。入り口に2フィートのリッジがあって、奥に行くと水がクリアになる。茎とスタンプだらけで、約5フィートまで深くなる。そこで僕が釣った2匹目は5ポンドフィッシュで、午前9時半までには5匹で19ポンド~20ポンド釣れていた。初日に比べるとすごい差だ。」

アシュリーは2日目、22ポンド11オンスをウェイインし、トップ25入りして50万ドルとクラッシックタイトルを狙うチャンスを掴んだ。彼は最終日も同じスポットからスタートしたが、周りにはジェイミー・フラリックを始めとする上位陣がいた。他の皆はジグをフリップしていたが、アシュリーは手作りのスピナーベイトでキャッチしていた。

「最終日は氷点下1.5℃か2℃ぐらいで、スピナーベイトには来ないだろうと思った。でも、ある特定のエリアで20ポンド釣ってしまうと、どうしてもそこに戻って釣れるか確かめたくなる。スピナーベイトで一流ししてノーバイトだったから、そこを離れた。トーナメントリーダーに場所を譲ったんだ。」

別のスポットに移動して昼も過ぎたが、アシュリーのライブウェルには1匹も入っていなかった。試合2日目に偶然見つけた小さなエリアに移動し、ジグを投げることにした。

「水深6フィートぐらいのところにブラシパイルがある、湾曲したチャンネル絡みのバンクだった。ただブラシパイルにジグをキャストするだけで5匹ウェイインできたんだ。」

3日目14ポンド7オンスで、アシュリーは3日間のトータルウェイト46ポンド15オンスと13位でクラッシックを終えた。優勝が彼の一番の目標だったが、試合の終わり方にがっかりしていないと言う。

「初日に出遅れたのに最終日まで残れて、気分がいいよ。クラッシックに出場できることは大変なことで、その最終日に釣る事が出来て最高だった。初日の自分のミスで優勝から遠ざかってしまったけれど、それ以外はこれ以上ないぐらい上手くいった。早くシーズンが始まってレイク・アミスタッドに行って、来年のクラッシックにも出場するという目標に向かっていきたい。」

 
 
 
 
 
Article & Photo Provided by Cox Group