チャンピオンの拘り

常に人の先を行く、勝ち続けるプロとはとても頑固な者である。勝負師としての最高の血統の良さは、不屈の精神。何者にも決して屈しないのが勝者としての一番の強みである。今期のTEAM LUCKY CRAFT U.S.A.は、バスマスターツアー初戦(マーティーストーン)と最終戦(ケリージョーダン)の優勝、バスマスターツアー年間総合優勝(ジェラルド スインドル)、そしてバスマスタークラシック優勝(大森貴洋)という素晴らしい賞の獲得を一年でやり遂げてしまった。また、ポインター100にてバスマスターツアー優勝、ベビーシャッド75、フラットCB D-20にてFLWツアー連続優勝などといった快挙も成し遂げている。しかしそんなTEAM LUCKY CRAFTも、1年前まではバラバラな意思の集まりだった。今期初めを迎えるまでは、メンバーのうち3人は他のメーカーへ移籍する寸前だった。条件面で折合わず、進退問題にも及ぶものさえいた。仲違いも絶えず、どうしようにもならない年を2年は経験している。我々は心の奥底からTEAMとして誇れるものは何も無い。これだけの偉業を成し遂げられたのにもかかわらず、今期の結果を前に心から嬉しく思える勝者としての結果は、大森貴洋のチャンピオントロフィーだけである。彼こそが、その彼の18年間の報いを得るうえでも一番祝福したい人物だ。しかしハッキリ言ってしまえば、これだけのメンバーを抱えていくのは身も心もボロボロになってしまう。一歩間違えれば壊れてしまいそうな関係、それだけ戦いの絶えない超一流のメンバーである事は間違いない。誰しもが誰をも認めないくらい徹底的な負けず嫌いだった。誰よりも遥かなる高みまで自分を向上させたい豪者の集まりだった。

我々は、超一流の人間だけが感じる事の出来る人間のオーラを知っている。そのオーラを感じ合うことが出来、通じ合う事が出来た者のみが許される空間があり、そしてそんな者のみが話す事ができる会話がある。お互いのプライドとプライドとの激しいぶつかり合いはあるかもしれないが、誰にも理解される事の無い孤独な戦いの痛みを分かち合う事が出来る。ちょっとした言葉の端から連想されるその者達の人生の深さが、共にいる戦士達の気持ちを安心させてくれる。今の我々TEAM LUCKY CRAFTにとって、そんな特別な感情だけが心の救いである。何かを極めようとする道のりは、そのくらい険しいものだ。少々の間違いは構わない、徹底的な不屈の精神こそ爆発的な力を見出す根本的な強さだ。スポンサーからの意見を易々と聞き、セミナー活動に精を出し、サブビジネスに囚われているようではトーナメントでは勝てない。チェンピオンとしての拘り、チャンピオンとしての意志の強さこそが、夢のその道を突き進む上での最高のエネルギーである。我々は、今年のチャンピオン達の日頃の素顔を見る事でそれを感じた。チャンピオン達のプライドと日々戦い続ける事により、その気位を学ぶ事が出来た。今後このチェンピオン達との切磋琢磨する痛さに耐えられなくなったならば、それは自分の力が衰えた事への認識となるだろう・・。


Copyright 2005 LUCKY CRAFT, INC. All Rights Reserved.
Sign up for LCNewsletter via email.