ラッキークラフトのプロ、ジェラルド・スウィンドルは、3日間のプラクティスを終えた段階ではパターンという程のものは持っていなかった。プラクティス初日、彼は上流で、カレントのあるところで小さなフィネスルアーをボトムに落とし、約13ポンド釣った。スウィンドルによると、レイ・レイクには珍しく釣れていなかったということだ。
プラクティス2日目、スウィンドルは下流に走ったが、大型の寒冷前線に直面した。朝雪が降り出し、その前の夜は竜巻が発生していた。冷たい風のせいで、体感温度は-7℃ぐらいだったが、スウィンドルはそれでも約13ポンド釣った。それは安定したウェイトではあったが、まだ信頼できるパターンではなかった。
3日目も同じ様な感じだったが、しばらくしてスウィンドルは上流に移動してカレントを釣った。そしてそれで彼はパターンを見つけた。
「一日中カレントの中で長い戦いをした。ジグを投げようと思って上流に移動したけれど、結局チューブを投げることになった。いつもの僕ならカレントでチューブは投げないんだが。始めに投げていた3/8オンスではなく、1/2オンスに変える必要があった。僅かな違いのように思えるかもしれないが、変えてすぐに釣れ始めたんだ。カレントで魚を釣るにはルアーが底に着いている必要があるのに、僕のルアーは着いていなかった。底をひいて来ないと魚はバイトしないんだ。」
バイトし始めると、スウィンドルは45分ほどでリミットを釣り、これがパターンだと確信した。リミットメイクした時には10ポンドしかなかったが、その後彼は、チューブのフリッピングで5ポンドフィッシュをキャッチ。残り1時間半となった時、スウィンドルは45分離れた下流域の別のエリアをチェックしに走った。彼は ラッキークラフト・フラッシュミノー110(オーロラゴーストゴールデンシャイナー)を使って2キャスト目で、もう一本5ポンドフィッシュを釣ったが、フックがのばされ、ボート間際でバレてしまった。
スウィンドルは初日14ポンド10オンスをウェイインし、9位につけた。
「2日目は下流から釣り始めて、小さいのを2本釣り、それから魚を搾り出そうと上流に行ったんだ。かなり苦しい試合で、午後1:45にやっとリミットが揃った。最後の一秒まで釣って、全開で戻った。思ったより早く下流に戻れたから、スピニングロッドを手にとって、温水が出ているパイプを釣ったんだ。そして残り1分で5ポンドフィッシュをキャッチした。」
スウィンドルは3日目に進めるだけのウェイトを持っていたはずだったが、トリップ・ウェルドン(トーナメントディレクター)の判断に、スウィンドルは唖然とし、そして失格となった。危険行為で罰せられたスウィンドルは、50万ドルとクラッシック優勝を懸けて地元で戦うチャンスを失ってしまった。
「僕はミスを犯した。」スウィンドルは満席のアリーナで行われた記者会見で自分の失格を発表した後、こう言った。「トリップの判断では、僕が間違っていたということだから、僕も自分が間違っていたと受け止める。」
仲間のアングラーであるランディ・ハウエルと彼のカメラ艇との隙間を走り抜けるという瞬時の判断をしたことで、スウィンドルは最終日にトップ25で戦うチャンスを失った。ビデオに映っているように、スウィンドルはスロットルを弱め、ランディにどうすればいいかを尋ねるかのように両手を挙げた。ハウエルが「行け」というジェスチャーをしたため、スウィンドルは隙間を走り抜けた。
「トリップ(・ウェルドン)によると、正しい判断は一旦止めてからアイドルで通り抜けることだった。もし誰かの命が危ないと思っていたら、やらなかった。謝るけれど、ずるをしようとか、不正にアドバンテージを得ようとしたわけじゃない。10年間望んでいたことだった。ずっとバーミンガムでのクラッシックに出たいと思っていて、本当に地元で優勝したかった。」
この試合はスウィンドルにとって忘れられない試合となり、このことで彼は勢いを増し、優勝に向けて邁進する。
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